Mixpakインタビュー・シリーズ: NGUZUNGUZU

2010.03.31 by Brendan

今回のインタビューはロスを拠点に活動するNGUZUNGUZUです。彼らが一体どんなサウンドを奏でるアーティストなのか、この場でくどくどと語ることはしません。正直、手掛かりもないので。そのかわり、彼らのウェブで自由にゲットできるデビューEPを、聞いてもらえたらと思います。もしかしたらそれがあなたを、どこか心の中の別世界へと連れて行ってくれるかもしれませんし、実際、彼らの場合、音を聴いてもらうのが一番の説明になるものと思われます。

SXSWへの24時間ドライブの直前にふたりのNGUZU (Asma & Daniel)をキャッチ、コミュニティーのこと、クイアーであることのプライド、現状を覆すプラン、バーチャル・リアリティーのクラブのこと、などなど色々と話を聞くことができました。

彼らからの要望により、彼らの答えは「NGUZU」ひとつに統一してありますが、これは両者に行ったインタビューなので、私含め三人のあいだでなされたものであること、念頭に置いて読んでいただけたらと思います。それでは、不思議な世界へ、ようこそ。

聞き手はBrendan Arnott(質問が太字)。

NguzuNguzuの由来を教えて下さい。

NGUZU: 由来?どうやってこのユニットをはじめたかってこと?それとも名前について?

両方お願いします。いつごろ一緒に曲を作り始めるようになったのかとか、どんな音楽が現在あなたがたが作っているものに影響を与えたのかとか、そこらへんも含め。

NGUZU: 了解。最初は遊びでビートを作ってたんだよね。ただカセットに録ったりしてね。エディットなしの、超即興だよ。MPC2000とキーボードを使って、やってたんだ。パーティーで踊れるようなダンサブルで、ロウなビートがたくさん入ったミックステープも、作ってた。そういうテープに対する友人たちの反応が結構よかったんで、少しずつAbletonを使ったりして本格的に曲を作るようになっていった。たがいにe-mailでやりとりしながらね。30曲くらいデモを作ってカセットからCDRに焼いて知り合いに送った。そのひとつがKingdomに刺さって、以来、僕らはいい友人になった。

NGUZU: そうそう。だから、Kingdomの影響は、小さくないよね。昔も今も。彼はしばらく前に僕らのカセット音源を聞いてくれて、僕らに連絡してきたんだ。で、2曲、僕らの曲をリミックスしてくれた。それが「OXXYGENERATION」と「HATE2WAIT」で、彼のミックステープのVOL.2に入れてくれた。

インスピレーションということで言えば、the fluokids blogはあなたがたのサウンドを評して「Blaqstarrとトランスの出会い」なんて言ってましたが、それについてはどう思われますか?

NGUZU:  Blaqstarrからの影響は大きいね。92Qで彼のトラックを聴いて以来ずっとだよ。

それではNGUZUNGUZUという名前の由来についてですが…

NGUZU: NGUZUNGUZUというネーミングは、ソロモン諸島の木製のカヌーの船首像にちなんでいるんだ。語呂もいいじゃない。早口で繰り返したら、なんかディジリドゥーみたいに聞こえたし。最初はそこだったんだよね。そしてこの船首像が、僕らの音を導いてくれているというわけ。何だろうね。灯台というかナビというか、あるいはコンパスというか。色々な方向に、僕らを向けてくれるんだ。

ナビゲーションのツールとしての音楽と言う考え方は好きですね。あなたがたは音楽家であると同時に、その作品の中でグラフィック・デザインのエレメントも強く感じるのですが、たとえば最新のビデオ「Got U / A Ring To It」なんかを見ると、このイメージのおかげで、曲が別次元までレベルアップしているように思います。ご自身の作品の中で、映像と音楽の交差についてどのように考えていらっしゃるのでしょう。

NGUZU: Leilah Weinraubが「Got U」のビデオを作ってくれたんだ。色々とアイデアを交換し合ったり、彼女にデザインやラフのアニメーションを送ったりして、作っていった。映像は、音楽を雄弁にしてくれるよね。あるいは、何か特定の方向に持って行ってくれる。このビデオもそうだと思う。映像のおかげで、この曲と結びつくコンテンツや意味が、より多く生まれていると思うんだ。そういう新しいものは、もしこの映像がなかったら、必ずしも生まれてはいなかったはずだよ。いま僕らはBlackmothという素晴らしい映像作家と仕事をしている。Bmoreの人で、Kingdomなんかとも仕事してる人。彼女はいい映像をたくさん作ってるんだ。少し前のことだけど、Club Vortexのためのビデオ・フライヤーを、彼女が作ったんだよね。それがすごくてさ。もう、どっかわかんないんだけど、バーチャル・スペースに持っていかれる感じ。Asmaも僕も、ふたりともビジュアル・アート的なところからきてるからね。

(そう言ってNGUZUがビデオのリンクを送ってくれた) ワオ、これはまたWindows 95のDivaのスクリーンセーバーのアシッド・バージョンみたいですね。すごい!

NGUZU: ハハハ、いいたとえだね。

NGUZU: サウンドを映像的にとらえるというのは制作過程においてとても大切なことだよね。ベースがどのようにキックと絡んで、その上にメロディーがのって、とか。

NGUZU: 将来的には、NGUZUNGUZUのショウは、サウンドとビジュアルをごちゃまぜにしたクレイジーなものにしたいと思っているんだ。Jean Michel JarrePolymarchsがクラッシュした、みたいなね。

NGUZU: だいじょうぶかな?

NGUZU: …さらにミーツCGIプラス4th of July的な。

NGUZU: そう!

NGUZU: バーチャルの三次元花火だね!

ビデオとサウンドのミックスといえば、あなたがたはWu Ingrid Tsangのフィルム『Damelo Todo』 (Give Me Everything)の音楽ディレクターでしたよね。性転換したラテン系の女性の、The Silver Platterというロサンゼルスのダウンタウンにあるゲイ・バーでの同性愛のパフォーマンス・アーティストたちとの出会いを描いた映画です。あと火曜日のWildnessナイトのDJもやってましたよね?

NGUZU: The Silver Platterね!正確にはダウンタウンじゃなくてマッカーサー公園のあたりになるのかな、あれは。あの映画は、ほとんどがSilver Platterというバーの話。どうやってラテンのゲイ・バーがはじまって、やがてそういう人々の天国になっていったか、という。で、その中でWu Ingrid TsangがWildnessのことも取り上げてるんだ。僕らの火曜日のパーティーをね。実はバーのオーナーの権利問題があって、いまは中断しているんだけどね。

NGUZU: あとロサンゼルスに移住してきたトランス・ジェンダーの人々がバーを見つけるはなしでもある。

DJしているときにかけるような音楽が、映画の音楽にも影響を及ぼしたりしましたか?

NGUZU: そうだね。

NGUZU: 絶対に、あったよ。あとゲストDJとかパフォーマーの影響もね。あとパーティーの場面以外の音楽も作ったね。悲しいシーンとか。パーティーのシーンでは、僕らがふだんかけてるような音楽をフィーチャーしているけど、そういうシーンのために、MalucaとGloria Treviのカバーをやったり、ドイツ人のボーカリストのMarichien Danzとコラボしたりもした。彼女の声はメランコリックでよかった。映画の音楽と言うことで、このバーのムードやフィーリングを最大限引き出せるよう、頑張ったんだ。

NGUZU: クンビアとかクンビア・ソニデーラ(Cumbia Sonidera)もたくさん使ったね。あとエコーをきかせたDivaのサンプリング。

インスピレーションということでいえば、あなたがたがWildnessというクラブ・イベントをやっているということを知った時に色々と考えるところがありました。このイベントは、クイアーやトランスジェンダーの人々のための場所だということを思い起こさせるものですよね。彼らに、まわりの視線を気にすることなく思い切りダンスできるような場所を提供する、という意味合いなんかもあったのでしょうか。クイアーのアイデンティティってミュージシャンとしては大切なんですかね。自分のことをオープンにクイアーだと、定義できますか?あるいは、そういう要素は、あなたがたが作る音楽にはなにも影響しない?

NGUZU: あのバーでそういう人々のためのスペースを作ったりってことは、僕らがやったことではなかった。もともとあの場所があって、僕らがあのバーでイベントをやってた、ってだけのことさ。僕らの火曜のイベントは、普段のバーの感じとはだいぶ違うんだ。いつもはもっと静かだよ。ただ週末になるとドラッグ・クイーンとかいてクレイジーになるけど。

NGUZU: ミュージシャンとしてどういうコミュニティーと関わるかってことが大切なんじゃないかな。そして僕らがどこにコミュニティーをみつかえるか、という。僕ら自身は、自分たちの音楽のための具体的なレーベルも、ないんだけどね。GLOBAL CLUBやVISUAL HOUSE以外は。

Art of Noiseの「Moments in Love」をリエディットしてミックステープを作りましたよね。あの曲のどんなところが好きですか?

NGUZU: そうだね。あれはラヴ・ソングのアイコンみたいなものだよね。昔から何度も何度も、聞いてきたよ。ラジオのスロウジャムのセットには、必ずこの曲が入ってるんだ。あるときはセックスのノイズとミックスされたりして。リミックスされると、それもまたクラシックスになる。メロディーがクセになるんだよね。感動的だし。で、どんなジャンルにもハマるんだ。スウィートな殺人の曲にだって、なってしまうじゃない。(Krayzie Boneの「Murda Mo」とか)

NGUZU: ドラム・パターンと共にとろけてしまうんだけど、それでも、どんな状況でも「Moments in Love」として残るという。あのメロディーの普遍性といったら…

思わずカメだって虜にしてしまう? (このビデオの1分35秒あたりをご覧ください)

NGUZU: ハハハ、そうだね。かつらかぶってね!このビデオ本当に最高だよね。

いやホントこの場面はいつも思い出すよね。小さなカメが「うわーーーー」って感じでスライドしていくんだけど、もしかしたら「うわー」とか言ってるんじゃなくて、「こんなことさせやがって、お前ら全員いつか殺してやる」とか思ってるかもしれないね。

NGUZU: だね。そういえば僕もアートショウで大きなカメに一役かってもらったことあったな。EARTH CLUBだったかな。

NGUZU: あとこの曲の何が好きかって、色々なジャンルでサンプリングされたり使われたりしているということもあるかな。手を変え品を変え、何年にもわたって、受け継がれてるじゃない。なのに全然色あせない。タイムレスって、まさにこのことだよね。

タイムレスな音楽と言えば、あなたがたの新しいEPがフリー・ダウンロードであなたのウェブで発表されました。とても好きなんですけど、なぜフリーで?

NGUZU: とにかく音楽を、発表したかったんだ。レコード会社ってリリースまで時間がかかったりするじゃない。そういうのでフラストレーションをためたくなかったんだよね。このやり方が一番いいかなって、思った。僕らもフリーの恩恵を色々と受けてるしさ。じゃぁこれもフリーで行こう、ってね。

Mixpakで見てみたいコラボとかありますか?

NGUZU: 僕らとMixpak?それともMixpakと誰か?

Mixpakと誰でもいいです。

NGUZU: もちろん僕ら!だけどそれ以外だと… Night SlugsSdunkeroDJ CleoDJ Nateかな。

NGUZU: DJ Mouseも… DJ Cleoとのコラボはドープになるだろうね!あと誰か女性MC!Nicki Minajとか!

NGUZU: BmoreのGet em’ Mamisも。 Pink Dollaz!

今後の展望と、あと何かアドバイスを、お願いします。

NGUZU: 2010年は新しい音楽が引き続き面白いやり方で発展していったらいいなと思う。新しい技術も出てきてるし、そういうのをどんどん組み合わせてね。色々な人々が色々な場所に行って、音楽も、国境を越えて行くといいよね。とにかく現状を打破して、前進していく。ハッカーになってみんなのPCをジャックしてバーチャル・リアリティーのクラブを作るんだ!

NGUZU: 完璧だよ。

そういえばバーチャル・リアリティーのクラブってありますよね。確かDump.fmっていう。

NGUZU: そうだね、あれはクレイジーだよね。LOL Boysが教えてくれたっけ。

そうなんですね。私も彼らから教えてもらいました。

NGUZU: 彼らはドープだよね。

NGUZUNGUZU: まぁとにかく、2010年はコネクションだ。コネクトし続けて、メインフレームをハックする。Global Clubの都市にしたいね。で、2012年にZORGA WORLD TOUR!頑張るよ。

NGUZUNGUZU: より多くのMCとコラボしたいね!

NGUZUNGUZU: アドバイスは、「あらゆるプレッシャーから心を解き放とう」かな。

ありがとうございました。NGUZUNGUZUのふたりに今後ともご注目を。

翻訳:KNAK28.

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