いつでもグラストリング: Das Racist インタビュー

自分にとってDas Racistはラップミュージックの定義を塗り替えてくれた存在だ。

彼らは「マリファナでハイになりながらおばかな事に笑い転げる」ことと、「人種差別や商業主義に厳しい批判を浴びせること」を両立し、マイノリティの疎外に関する話題と、駄洒落とRichard Hell & Hell Rellについてを8秒間に考えさせることができる唯一のラップグループだ。

この世界はもっと容赦く手厳しいインテリラップグループを必要としていて、だからこそVictor/Kool A.D、Hima/Young Coco Butter、そしてDapwellによって構成されるDas RacistとトロントのレゲエシーンやMarina Abramovic、そして死んだ馬のいろいろなバラエティーについて話すことがうれしいんだ。ちなみに彼らの素晴らしいミックステープ”Shut Up Dude”もダウンロードできるのでお忘れなく。

Interview by Brendan Arnott (my text in bold)

最近Das Racistが居心地の悪い思いをしたのはいつ?

KOOL A.D:ケンブリッジのMITで「オタクの逆襲」的なイベントに呼ばれた時かな。実はその時所謂サイケデリック系を含むいろいろなドラッグをやっていて、イベント中に自分が今いる組織(つまりMITのこと)が世界に与えた影響の大きさについて考え始めてしまったんだ。そこに居るのは、経済不況の原因を作る巨大金融機関で働くやつだったり、自分たちの利益のためのロビー活動にばかり精を出してアメリカの社会保障制度がめちゃくちゃになってもお構いなしの多国籍製薬企業で働いたり、米軍や戦争請負企業のための新しい戦闘機を開発したりするような連中だってことをね。同時にそこに居るのは、現在の世界中の紛争の原因となっている石油エネルギーに代わる代替エネルギーのソリューションを開発することができたり、ただ単にクレイジーで楽しい時をすごしたいだけだったりもするわけだ。とりあえず普段あまりお目にかかることがないくらい人付き合いが苦手そうな連中だったって事は確かだな。

オレはそんなやつらとうまく打ち解けることが出来なかったし、自分の存在意義について見失いそうな状況だったんだよ。なんでこいつらは俺らみたいなラップグループを呼んでだろうと思って。いったい俺らに何を求めているのかわからなくなっちゃって。俺らが誰だかという事する理解されているのか怪しまれたよ。まあ所謂典型的なサイケデリックドラッグのトリップだった訳!とにかく、「ミニ・アイヒマン/ホワイトデビル」的なバイブと「ただ楽しみたいだけのオタク達」的な雰囲気に加えて、なんでこいつらこれが好きなんだという疑問を抱きながら、強力なケミカルドラッグを摂取するという状況で周囲の人間と和やかに打ち解けるのはかなり難しいことだったと思うよ。

そんな状況だから自分の心の中で絶えず生成される意味不明なモノローグを聞き続けることしかできなかったんだ。同時にこんな巨大な組織に属する奴らに対する劣等感と、あまりにも自分と違い過ぎてそれがゆえに無知に思えてしまうほどの人たちに対する優越感の間で揺れ動いていたという訳さ。そんなパラノイアな状況にいた訳だけどとりあえず「とても居心地が悪かった」という状態と呼ぶにふさわしい状況であったことは間違いないな。

Hima: 前に脳腫瘍を患った友達のためにプレイしてくれないかと言われた事があったんだけど、それこそまさに白人のために俺らがステージでめちゃくちゃなことをやるいい理由だよな。その少し前に人助けのためになら基本的に無料でパフォーマンスをしようと決めていたんだ。可能な時にだけカネをもらおうとね。それでマンハッタンのミッドタウンにある奇妙なホテルに呼ばれて行ったんだ。ちなみにミッドタウンはカネの臭いが溢れてるから大嫌いなところさ。とはいえ、実は自分自身もホワイトデビル的な仕事をしていた事があって、インド系アメリカ人の所有する会社での仕事だったんだけど、もう少しでミッドタウンに移り住むところだった。とにかく、そのホテルに行ったところ、イベントの主催者が例によってすぐに所謂”Chocolate Rain”的な奴らがそこにいるかというジョークを言い出して、彼自身は違ったんだけどね。もし彼がそうだったらオレは彼と話したいと思ったけどね。まあそれも関係ないけど。

それで俺らはこの傷ついた友人のために開催されたイベントに出演した訳だけど、それはつまりDAP曰く「ヨーロッパの法廷の服装をした奇妙な白人の集団」の前で演奏することになった訳だ。しかもだぜ!脳腫瘍のやつはその場にいなかったんだ!俺らのPIZZA HUTの歌を気に入ったやつがいて、そいつが友達に俺らを呼べないか頼んだって訳だ。マジ最悪だったぜ!

Das Racistの”Fake Patois”はカナダで最悪の「レゲエ」伝説Snowの曲に因んでいると思うけど、Snowについてどう思う?

KOOL A.D. : ほんとに1曲しか知らないんだよね。“Informer.” まあいいんじゃない。

Hima:彼のgrustleはリスペクトしているよ。

他にカナダのレゲエやヒップホップについて何か覚えていることってある?

KOOL A.D. : DrakeがDegrassiだった頃は覚えているよ。.

Hima: Kardinal Offishalは好きだな。

先日とあるヒップホップのネットラジオ局での君たちのインタビューを観ていたんだけど、LMFAOと比較されていたじゃん。理想的なジャーナリストや音楽批評家はDas Racistをどのように表現するべきかな?

KOOL A.D. :一番の理想はこの世から音楽ジャーナリストや批評家が居なくなることだ。もしくはDas Racistが居なくなることかな。

Hima: 自分がBerry Gordyの息子だったらと思うよ。IZZATHOWYOUSPELLIT?

Das Racistのトラックは”商業主義的なギャングスタラップ”と”コンシャスなヒップホップ”の両方を馬鹿にしているように聞こえるけど、もしそのどちらかを選ばないといけないとしたらどちらを選ぶ?

Hima: “商業主義的なギャングスタラップ”

KOOL A.D. : 歴史的な商業主義的なラップかな。つまり”THE THIRD COLUMN”のことだけど。

オーディエンスをからかい過ぎて会場から追い出されたりすることがある?オーディエンスに「white people」ってゆうコールアンドレスポンスをやらせているのを youtubeで観たことがあるけど。それに始めてDas Racistがヒップホップ雑誌のXXLでブログを始めた時に、最初のほうの記事でホモっぽい名前のラッパーベスト10っていう記事だった気がするけど(ちなみにLord Finesseも入っていた)。Das Racistの存在意義のひとつとして、人々を挑発するって事もあるのかな?

KOOL A.D. :俺らはたた笑えることをやろうとしているだけなんだ。でも時々自分たちには笑えることでも、他人にとってはショックな事もあるみたいだね。

Hima:オレはただKool A.D.とDAPに自分の事を面白いと思ってほしいだけなんだ。他のヒトはもうそう思ってくれているけどね。

Das Racistのリリックはすごく面白いけど、ネットで見つけるのも難しい。お気に入りのパンチラインを教えてくれる。例えば “Shut Up, Dude” mixtape にあるものみたいに皆が見逃しがちなものもあると思うんだけど?

KOOL A.D. : “I’m at the Pizza Hut / I’m at the Taco Bell / I’m at the Combination Pizza Hut and Taco Bell”

Hima: “JAMAICA AVENUE”, “IM FROM QUEENS MAN”, “QUEENS BOULEVARD”

Das Racistの最新のMishka / Greedheadコラボのミックステープ”Shut Up, Dude”はすごく良くてまるでアルバムを聴いているみたいだ。それを聴いている時に思ったんだけど、繰り返しに拘りがあるように感じられたんだよね。みんなPizza Hut/Taco Bell joint back in 2009でクレイジーになったし、Billy Joelをサンプリングした”You Oughta Know”は白人ですらクラブで躍らせるような曲だよね。どちらの曲も繰り返しが印象的だったけど、新しく “Speaking In Tongues” freestyleをリリースしたじゃん。これは終盤に1分半の意味不明な言葉の羅列があったけど、次は何がくるのかな!? 単純な言葉の繰り返しの次は何が来るのかな?

KOOL A.D. : 大量の関係ない言葉をつぶやきまくる方式をこれ以上どうやって発展させるかって?メロディー性のないリリックをドラム中心の音楽に載せて4分の4拍子の2拍目と4拍目にスネアが入る音楽に載せて死んだ馬に鞭をうつような方式がこれ以上に発展させることができるかって?ヴァース、コーラス、ヴァース、コーラス、ブリッジ、コーラス、死んだ馬に関するリリックという方式をこれ以上プッシュできるかって?ラブソングとデッドホース?ギター?イエス!可能です。オレは毎日呼吸を繰り返しているし、それをやりすぎて飽きることはないよ。自分はファックアップした時以外はね。今やそんな事はほとんどないけど。音楽は死んでいるし、音楽は生きている。もしBusta Rhymesが森の中で片方の手だけを使って拍手しようとしたら、音を出すことができるだろうか?

Hima: このインタビューはすごい事になってきたね。それはさておき、”gobbledegook”という単語を、”trendy”な”band”のインタビュー”piece”で”dead horse”について語る事は”flogged” anymoreなのだろうか?

youtubeで“Sabotage”のカバーでシャツを脱ぎながら叫ぶ映像を見つけたし、最近のWhitneyのパフォーマンスビデオではヅラをつけながら踊る君たちに合わせて10歳児が”Combination Pizza Hut Taco Bell”を歌っているシーンがあったけどこのパフォーミングアート路線をMarina Abramovic風により推し進めていく予定はあるの?

KOOL A.D. : 実はちょうどMarina Abramovicの作品をMOMAで鑑賞したところ所なんだけど、マジやられたね。あと、グッゲンハイムでやっていたTino Seghalの作品や彼の作品全般も大好きだよ。あと、Mai Uedaの1分間の”I Don’t Want to Deal with Those Monsters”のアカペラを”I Don’t Want to Deal with Those Monsters”にサンプルしたんだけど、それ以来また彼女とコラボレートしたいとコンタクトしているところなんだ。DJ Spookyもいたら最高だね。一度マクドナルドのレプリカを美術館に作って、そこで本物のマックの従業員を展示して、マックのCEOのサラリーの一部から時給を払わせたいと思っているんだ。メニューや値段は一緒だけど、フェアトレードの素材で食品は提供して、ちゃんとした草で育てた牛の肉を使って、遺伝子操作をされていない鶏肉や卵を使って、本物の有機野菜とチーズを使うんだ。そこの売り上げはすべてチャリティーに寄付されるという訳。このアイディアはRichard Serraの巨大な像の傍にいたカードパンツを履いてNew Balanceの靴を履いて子供を連れたドイツ人の旅行者を見たときに「まるでマクドナルドにいるみたいだな」と思ったのがきっかけで思いついたんだ。コーポレートブランディングの力をハイジャックして、社会の良いことのために使うのはどうかと思って。ほとんどイリーガルですげーカネもかかるから不可能のように思えるかもしれないけど、”exalted”でiconicな “real art”のスペースでやればうまくいくと思うんだ。そしてこのことについて話続けていればいつか金持ちがだれかサポートしてくれるかもしれないじゃん?

Hima: 自分自身パフォーマンスアーティストとしては、Marina Abromovicのエゴをこれ以上膨らませたくないな。だからこの質問に答える義務はない!

Victorの一番好きなプロデューサーはSwiss Beatzだと聞いたんだけど、彼をさえないラッパーだという評価についてはどう反論する?

KOOL A.D. : 俺たち3人ともSwizz Beatzが好きなんだ。彼が一番とは言わないが、彼は好きなプロデューサーの一人だよ。すばらしいラッパーだと思うし。”Bill Gates / Steve Jobs / iPhones / Microsoft… My new Basquiat /HOV know what that cost.” これすごいいけてるでしょ。

Hima:彼はオレが一番好きなプロデューサーだよ。冗談じゃないぜ。Swizz BeatzとDillaだ。それから彼の友人のEl-Pだね。それからDavid Banner、Heatmakerz、Flying Lotus、Switch、 Jai Paul、Prince Paul、その他諸々。マジだぜ。あとMadlibとKOUSHIKね。

もし僕が間違っていなかったら、Heemsはラッパーから作者になろうとしていると聞いたんだけど、正しい?次はどんな作品を出す予定なの?

KOOL A.D. : 出版社の営業のやつが俺らにアプローチしてきたんだ。3人で本を出さないかって。まだゆるい感じだけど、今提案書を練っているところさ。

Himanshu: オレ自身はまあ作家から作家への転進と考えているけどね。

Das Racistの“bodega thanksgiving” youtubeビデオは今日ミュージシャンとして大金を稼ぐのは難しいということが証明されているかのようだね。Das Racistは1億円積まれたらマクドナルドのためにラップをする?それとも企業のスポンサーにはやっぱり反対?その間にグレーのエリアってあるのかな?

KOOL A.D.: 今日の労働は程度の差こそあれすべてが”corporate sponsorship”と無関係であることは不可能だと思う。企業からではないスポンサーシップを見つけるのはほとんど不可能じゃないかな。お金を断るのは難しい。でもカネのためだけに何かをやるのは避けようとしている。居心地のいいものじゃないからね。でも実のところ何をやったら一番しっくりくるかまだわからないんだ。曖昧な答えかもしれないけど、”keeping it real”という言葉に素直でいたいんだよね。それが何を意味するのかはいまだに理解できていないけど。何か意味してくれていればと思っている。

Hima: オレはカネのためならなんでもするぜ。そのお金でまだ一度も会ったことのないインドにいる従兄弟たちがよい教育を受けることができて、俺たち同様ひどいアメリカ企業のために働くことができるようにね。

Das Racistの将来には何が待っているの?

KOOL A.D. : ハワイで魚加工工場のオーナーになりたいな。

Hima: 恋に落ちたい。

ボーナス編:連想ゲーム!

もし●●が無かったらDas Racistは存在しなかった…

KOOL A.D. : …Busta Rhymesが森の中で片腕だけで拍手する事が出来なかったら。

Hima: もしKMDが新機軸を打ち出すことがなかったら.

Das Racistは●●を貰っても貰いすぎることがない…

KOOL A.D. : …君のカネ

Hima:
君の娘

Dap: YOU KNOW WHAT/ I JUST CAN’T GET ENOUGH

Das Racistは皆に●●だけは止めてもらいたい…

KOOL A.D. : …フォーマット化されたな。

Hima:
ハンマータイム。

Dap: そうだなぁ。。

Das Racistが信じられないことは…

KOOL A.D. : キリストが白人だったということ。

Hima:
俺たちがまだミリオネアじゃないこと。

DAP:
君がビューティフルボーイだということ。

もしヨハネの黙示録が現実のものとなった時、Das Racistは…

KOOL A.D. : ネット上に長ったらしい反撃文をアップするよ。

Hima: お母さんが無事か確認します。


Dap:
わからねえ!
ありがとうDas Racist!みんなミックステープ“Shut Up Dude”をゲットして、夏の大騒ぎに備えよう!

翻訳:SHO

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